漢方と鍼治療の診断方法と治療方法の理論は、陰陽論より生まれました。
陰陽論とは、森羅万象、私達を含む万物は、陰気と陽気の2つのエネルギー物質によって形成されているという理論です。当店のロゴマークの赤色は陽気を表し、青色は陰気を表し、五角形は陽気・陰気より生まれた木・火・土・金・水の五気を表しています。
陰気とは目に見えて重さがあり、暗くて冷たい物質的エネルギーで、自分で動く力はなく、下方や内側へ向かう性質があります。
私たちが認識できる純度の高い陰気は大地の土です。
陽気とは、目に見えず明るく温かい運動エネルギーで、自分で動く力が強く、拡散性で上方や外側へ広がる性質があります。私たちが認識できる純度が高い陽気は太陽の光です。
万物は陰気と陽気が混然一体となって形作られており陰気と陽気の平衡状態こそが、万物の繁栄・安寧状態を保っており、この平衡バランスが崩れると変化や異常を引き起こします。
地球で生物が繁栄するためには、陰気の多い寒い夜と冬の季節そして、陽気の多い温かい昼と夏の季節のどちらの温度環境にも適応しなければ繫栄し生命を継続する事が出来ません。その為、地球上の生物は陰気と陽気の平衡を保ち寒冷にも温熱にも適応できるように進化してきたのです。
私達の体にもその考えが適応されました。『五臓六腑』も体内を流れる『血液』も陽気と陰気によって形成されていて、私達が生命活動を続けるには、五臓六腑や血液の陽気・陰気のエネルギーを消耗します。そして、睡眠・休息・食事によって消耗した陽気・陰気を回復し、陽気・陰気の平衡状態を保持します。健康な人ほど陽気・陰気の平衡状態を保持する能力が高いのです。
しかしながら、過度な肉体疲労・精神ストレス・睡眠不足・乱れた食事を続けると、陰陽のバランスの崩れが平衡状態に戻ることができず、崩れた状態が続くことで身体に異常・苦痛・違和感を発症するのです。
漢方薬も鍼治療も体内の五臓や血液の陰陽バランスの崩れを整えることを目的に生まれた治療方法です。
陰気・陽気のバランスの崩れが本来の平衡状態に戻るように、バランスを整える治療をします。つまり治療家は、陰陽の失調を正確に診断できなければ、漢方薬も鍼治療も効果を発揮することができません。
したがって、漢方薬と鍼治療はまず、異常・苦痛・違和感の発症原因となっている陰陽のバランスの崩れを診断します。陰気・陽気が体の何処でどのような状態にバランスを崩しているのかを見つけ出します。
たとえば、腎臓で陽気が不足している時は、腎陽虚(不足)証と診断し、腎臓の陽気を補う治療を漢方薬と鍼治療同時に行い効果を高めます。また、心臓で心の陽気が過剰な時は、心陽実(過剰)証と診断し、心臓の過剰な陽気を取り除く治療を漢方薬と鍼治療を同時に用い効果を高めます。
そして、陰気・陽気のバランスの崩れが本来の平衡状態に戻るように、バランスを整える治療をします。つまり治療家は、陰陽の失調を正確に診断できなければ、漢方薬も鍼治療も効果を発揮することができません。
漢方薬と鍼治療は、身体に発症した辛い症状を一時的に押さえるという方法ではなく、根本的な問題(=陰陽の平衡状態の失調)を改善する治療法です。バランスの偏った体質を整え、本来、私たちが持っている陰気・陽気のバランスを保持しようと働く恒常性を高めることで、毎日を快適に生き生きと過ごすことができます。漢方・針治療は、まさに不老長寿を実現できる医学ともいえます。
私達の生活習慣はここ数十年で、インターネットやスマホの普及や美食や暴飲暴食や運動不足などによって、急速に変化しています。健康体であれば、陰気と陽気の平衡状態を保持する能力が高いために、わずかな生活習慣の変化には充分適応します。しかし、健康体といえども、生活習慣の急激な変化に対して陰気・陽気の平衡状態を保持する能力が間に合わなければ、崩れた状態が続き、様々な異常・苦痛・違和感を発症します。
長期間に渡り「なんとなく感じている身体の不調」「どこへ行っても改善しない」そのような方、ぜひ当院へお越し下さい。
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